ゴミ屋敷の住人が、物を捨てようとすると激しく「怒って守る」ような行動を見せる場合、その背景には「境界性パーソナリティ障害」といった精神疾患が関連している可能性も考慮する必要があります。この障害を持つ人々は、感情のコントロールが困難で、人間関係において不安定な特徴が見られることが多く、それがゴミ屋敷という形で現れることがあります。境界性パーソナリティ障害の主な特徴の一つに、「見捨てられ不安」があります。彼らは、常に誰かから見捨てられることへの強い恐怖心を抱いており、それが物を溜め込む行動に繋がることがあります。物が自分のものであるという確かな感覚が、見捨てられる不安を一時的に和らげる役割を果たしているのかもしれません。物を手放すことは、自分から大切なものを失う、つまり見捨てられることの象徴のように感じられ、それが激しい怒りとして表面化することがあります。また、「感情の不安定さ」も特徴的です。境界性パーソナリティ障害を持つ人々は、感情の起伏が激しく、些細なことで怒りや悲しみ、絶望感を強く感じやすい傾向があります。そのため、片付けを促されたり、物を捨てられそうになったりすると、その刺激に対して極端な怒りや攻撃性を示すことがあります。この怒りは、相手を傷つけるためというよりは、自分自身の不安や苦痛から来る防衛反応として現れることが多いと言われています。さらに、「アイデンティティの不安定さ」も関連しています。自分の価値観や自己像が曖昧であるため、物に自分のアイデンティティを投影し、それを手放すことが自分自身の一部を失うように感じてしまうことがあります。物が自分自身の一部となっているため、それを守ろうと必死になるのです。ゴミ屋敷の住人が物を怒って守る行動の背景に境界性パーソナリティ障害が疑われる場合、家族や支援者は、専門家との連携が不可欠です。精神科医や専門のカウンセラーによる診断と治療が最も重要であり、家族や支援者だけで解決しようとすると、かえって事態を悪化させる危険性があります。対応する際には、まずは住人の感情を刺激しないよう、「共感的理解」を示すことが大切です。怒りや抵抗の背景にある不安や苦痛を理解しようと努め、批判せずに受け止める姿勢が求められます。
ゴミ屋敷の物を怒って守る!境界性パーソナリティ障害との関連