ゴミ屋敷という絶望的な状況からいつかは断捨離を楽しめるような快適な生活を取り戻したい。その願いを叶えるためには焦っていきなり「捨てる」ことから始めてはいけません。本格的な断捨離に移行する前に必ず踏んでおくべき重要な準備段階があります。それは部屋を「マイナス」の状態からまずは「ゼロ」の状態に戻すというプロセスです。この準備なくして本当の意味での断捨離は始まりません。まず第一段階として最も優先すべきは「明らかなゴミを徹底的に捨てる」ことです。食べ残しの入った弁当容器、空のペットボトル、お菓子の袋、不要なチラシやレシート。これらは「要る・要らない」の判断を必要としない誰が見ても明らかなゴミです。まずはこれらの「判断不要のゴミ」をひたすらゴミ袋に詰めていきましょう。この作業だけで部屋のゴミの総量は劇的に減少し床が見え始め作業スペースが確保できます。この「ゼロ地点」に近づける作業が何よりも重要です。次に第二段階は「全ての物を一旦外に出す、あるいは一箇所に集める」ことです。部屋にある衣類、本、雑貨などをカテゴリーを意識せずとにかく全て部屋の外やブルーシートを敷いた一角に移動させます。これにより部屋は空っぽの「ゼロ空間」になります。この「何もない空間」を自分の目で確かめることが非常に重要です。この空間の心地よさ、解放感を肌で感じることで「もう二度とあの状態には戻りたくない」という強いモチベーションが生まれるのです。そして第三段階がいよいよ「仕分け」です。一箇所に集めた物の山の中から今の自分にとって本当に必要な物、心から大切だと思える物だけを選び抜いていきます。この段階に至って初めて断捨離の「断(不要な物を断つ)」「捨(不要な物を捨てる)」という考え方が生きてくるのです。ゴミ屋敷からの脱出はいきなり頂上を目指す登山ではありません。まずは麓のゴミを片付け安全なベースキャンプを設営する。その地道な準備こそが成功への唯一のルートなのです。
ゴミ屋敷からの脱出!断捨離の前にすべきこと