ゴミ屋敷の件数増加という深刻な社会問題に対し、各市役所は従来の対応に加え、より効果的で住人の実情に合わせた「新たな取り組み」を積極的に進めています。これは、問題の根深さや複雑さを認識し、従来の法的な対応だけでは限界があるという認識から生まれています。市役所の新たな取り組みは、予防、早期発見、そして継続的な支援に重点が置かれています。一つ目の新たな取り組みは、「ゴミ屋敷条例の制定」です。国の法律ではカバーしきれない、地域の実情に合わせた独自の条例を制定することで、市役所の対応権限を強化し、より迅速かつ的確な介入を可能にしています。条例には、指導・勧告の基準、行政代執行までの手続き、そして福祉部門との連携などが明記されており、問題解決に向けた具体的な道筋が示されています。これにより、住民への啓発効果も期待できます。二つ目は、「専門部署の設置や多部署連携の強化」です。ゴミ屋敷問題が複合的な課題であることから、環境衛生、福祉、建築など、複数の部署が横断的に連携するための専門部署を設置したり、定期的な連絡会議を開催したりする自治体が増えています。これにより、住人が抱える多様な問題に対し、一貫した視点と専門性を持ち合わせた支援を提供できるようになります。例えば、高齢者のゴミ屋敷化であれば、地域包括支援センターとの連携を強化し、介護サービスの導入や見守り体制の構築を進めます。三つ目は、「地域住民との連携強化と見守りネットワークの構築」です。市役所だけでは全てのゴミ屋敷を把握することは困難なため、地域住民からの情報提供を促すための相談窓口を充実させたり、民生委員や自治会など地域の見守り組織と連携したりしています。地域住民が異変に気づいた際に、どこに連絡すれば良いか分かりやすい体制を整備し、早期発見・早期介入に繋げることを目指しています。四つ目は、「予防的支援の強化」です。ゴミ屋敷化に至る前に、住人の孤立を防ぐためのコミュニティ支援、精神保健相談の充実、ゴミの分別や収納に関する啓発活動などを積極的に行っています。例えば、ゴミ屋敷化のリスクが高い高齢者や単身者に対し、定期的な訪問支援や、ボランティアによる片付けサポートを提供するといった取り組みも行われています。
ゴミ屋敷の件数増加に対応する市役所の新たな取り組み