私の部屋は、いつの間にか、私が一番見たくない場所になっていた。床は見えず、積み重なった紙袋やペットボトルの山が、私の生活空間を侵食していた。私は「ゴミ屋敷」という言葉が、まさか自分の部屋に当てはまる日が来るなんて、夢にも思っていなかった。始まりは些細なことだった。仕事のストレスで、ゴミ出しに行くのが億劫になり、食後の食器も流しに溜まるようになった。疲れて帰ると、まず部屋の散らかり具合に絶望し、余計に何も手につかなくなった。そのうち、新しい服を買ってもしまう場所がなくなり、床に置きっぱなし。いつか使うかも、もったいない、という気持ちが、私を物の山の中に閉じ込めていった。誰にも部屋を見られたくなかった。友人からの誘いも断り続け、やがて私は社会から孤立していった。カーテンを閉め切り、部屋の悪臭に麻痺しながら、私はゴミの中で一人、息を潜めるように暮らしていた。夜中にゴキブリが這い回る音を聞くたびに、自己嫌悪に陥り、涙が止まらなかった。「どうにかしなきゃ」そう思っても、どこから手をつけていいのか分からない。物の山を見ると、頭が真っ白になり、思考が停止する。一つ一つの物を見るたびに、過去の記憶や感情が蘇り、捨てることへの抵抗感が強くなる。これは私の人生そのものだ、そんな錯覚に陥ってしまうこともあった。私は、このカオスの中から抜け出したいと心から願っている。でも、一人ではもう無理だ。誰かに助けてほしい、でも誰に頼めばいいのか分からない。この部屋は、私の心の叫びそのものなのかもしれない。