賃貸物件の管理会社や大家さんにとって、退去後の部屋がゴミ屋敷状態であった場合、最も頭を悩ませるのは原状回復、特にゴミ屋敷の臭い消しです。ゴミの撤去費用は比較的算出しやすいですが、消臭にかかる時間とコストは、その汚染度合いによって大きく変動するため、経営上のリスクとなります。まず、賃貸物件において消臭作業を行う際の鉄則は、残置物の全撤去と同時に、エアコンの分解洗浄を行うことです。エアコンのフィルターや内部のフィンには、部屋中の臭気成分が吸着されており、ここを放置したまま他の場所を掃除しても、エアコンをつけるたびに悪臭が部屋中に再拡散されてしまいます。また、キッチンやトイレといった水回りの排水トラップが乾燥し、下水の臭いが混ざっているケースも多いため、水の補給と洗浄は必須です。壁紙については、タバコのヤニと同様、ゴミ屋敷の臭いも裏側の石膏ボードまで透過している場合があり、消臭剤の散布だけで対応できない場合は、クロスの張り替えを余儀なくされます。この際、単に新しいクロスを貼るだけでなく、下地となるボードに消臭機能のあるシーラーを塗布することで、封じ込め効果を高めることができます。さらに、フローリングについても、ワックスを一度剥離し、床材の隙間に詰まった汚れを取り除いた上で、再ワックスを行うことが効果的です。ゴミ屋敷の臭い消しは、次の入居者に「前入居者の存在」を感じさせないレベルまで徹底しなければならず、プロのオゾン脱臭業者と提携している管理会社も少なくありません。消臭が不十分なまま次の入居が決まると、入居後のクレームや早期退去に繋がり、さらなる損失を招くことになります。そのため、初期投資として徹底した消臭プロセスを組み込み、目に見えない資産価値を守る姿勢が、安定した賃貸経営には不可欠となるのです。ゴミ屋敷の臭い消しを徹底するためには、表面を覆うクロスだけでなく、建物の構造部まで意識を向けることが、再発を防ぐための重要なポイントとなります。
賃貸物件のゴミ屋敷臭を消す対策法