ゴミ屋敷の室内環境において、季節を問わず発生するのが「空調設備の機能不全」というあるあるです。天井近くまでゴミが積み上がると、エアコンの吹き出し口がゴミで塞がれたり、吸い込み口に大量の埃が詰まったりして、空調が全く効かなくなります。それどころか、高く積まれたゴミが断熱材のような役割を果たし、夏場は熱気が部屋の中に籠もってサウナのような高温多湿状態になります。ゴミから発生する発酵熱も加わり、室温が四十度を超えることも珍しくありません。このような環境で、住人は脱水症状や熱中症のリスクに晒されながら、それでもゴミの中に留まり続けます。逆に冬場は、ゴミの隙間から冷気が入り込み、一度冷え切った部屋はなかなか暖まりません。多くの住人は、ゴミの山の中に潜り込むことで寒さを凌ごうとしますが、それは不衛生なだけでなく、火災の原因にもなりかねません。また、生活環境を一変させることも有効です。古い家具を捨てて新しいものに入れ替え、自分の部屋を「汚したくない大切な場所」として再定義させるのです。ゴミ屋敷あるあるとしての「リバウンド」を防ぐには、住人本人が「物を捨てる痛み」よりも「持たないことの軽やかさ」を実感し続けることが不可欠です。暖房器具を使おうにも、周囲が可燃物であるゴミだらけのため、コンセントの埃から発火するトラッキング現象や、ストーブにゴミが接触して出火するリスクが極めて高いのです。ゴミ屋敷での火災は、燃料が無限にあるため瞬く間に燃え広がり、消防隊の進入をゴミが阻むため、消火活動も困難を極めます。空調が効かない、窓が開けられない、換気ができない。そんな過酷な環境下で生きることは、住人の健康状態を著しく悪化させます。清掃が終わった後、数年ぶりにエアコンの風を直接感じた時の住人の表情には、失われていた四季の感覚や文明の利器への感謝が入り混じっています。適切な温度で過ごせるという、当たり前のはずの権利を取り戻すことが、ゴミ屋敷からの更生の第一歩となるのです。